まずは経験を積むこと

介護職の経験がない状態で介護業界への就職を目指す場合、働き方の選択肢の一つとして「派遣」があるだろう。

介護業界では、資格や技術の他に経験年数を募集要件に含めていることが珍しくない。また、何らかの関連資格を取る場合にも、実務経験が一定年数以上であることを定めていることが多い。つまり、良い条件の正社員の仕事がなかなか見つからないようであれば、未経験のままでいるよりも、できるだけ早く業界に飛び込んだ方が、最終的に良い結果に繋がることがあるのだ。
もしも「派遣ではなく正社員がいい!」と希望するのであれば、「正社員への登用あり」の求人を優先的に探したり、「実務経験を積み、何年後に資格を取ったら転職をする」という計画を立てたりしておくと良いだろう。

一方、「正社員でないため、未経験者でも仕事に就きやすい」とは、必ずしも言えない点に注意が必要だ。介護という現場では、スキルだけでなく利用者を思いやる気持ちや、体力を使う仕事を厭わない気持ちが広く求められる傾向にある。 更に、高齢者の介助を行うのか、なんらかのハンデを抱えた人の介助を行うのか、施設ごとにその仕事内容は異なるだろう。
「自分はどのような介護職員になりたいのか」という目標や、「家庭の事情のため、夜間勤務は難しい」といった勤務条件をよく考え、職場や施設の状況についても意識しておくことが大切だ。

就業中は正社員や派遣、パートといった区別がないことが多いので、業界の研究も怠らない姿勢が求められるだろう。